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1 month ago

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小説『想思華』著・天月天兎さん
https://estar.jp/novels/9681694
表紙募集よりお声掛けさせて頂きました。


******

「ーーー本当に変わった人間だな…雪鈴よ」

思いがけず名前を呼ばれ、心臓が高鳴る。こんなにもはっきりと、面と向かって名前を呼ばれたのは、思えばこれが初めてかもしれない。

「お前は初めから我を恐れなかったな?」

確かに…そうだったかもしれない。恐怖よりも先ず、興味が先に立った。目の前に現れた美しい鬼に目を奪われて、逃げる事すらも忘れた。

「恐れないばかりか、理由はどうであれ、自ら我と行く事を望んだ」

「故に興味が沸いた。どうすれば今までの人間の様に我を恐怖するか。お前が殺さないでくれと泣いて懇願する姿が見たくなったのだ」

雪鈴の長い髪を弄ぶその手は、言葉とは裏腹にとても優しいものだった。

「望む物を与え、偽りでも優しくしてやれば、お前は死を拒み、その時こそ嬉々として殺してやる筈だった」
「貴方の思惑通りですね」

雪鈴が言う。

その言葉を聞き、魄皇が初めて笑った。冷笑ではなく、切れ長の目を優しく緩め、ほんの少しだけ口角を上げて。その様子は、月夜に現れた神の如く神々しくて、雪鈴は魅了される。

「思惑通りになってもなお最後には死を望む……そんな人間は初めてだ」

髪を撫でる手が、そのままそっと頬に触れた。

「始めから…惹かれていたのかもしれぬ」
「…………っ」

魄皇の口から出た信じられぬ言葉に、我が耳を疑った。直ぐに意味は理解出来なくて…でも、心臓だけが痛いくらいに脈打つ。

この鬼(ひと)は、いったいどれだけ多くのものを与えてくれるのか。

「其方は我を〝花〟だと言ったが…〝花〟はむしろ其方の方がよく似合う」

その言葉の意味を、都合良く解釈しても良いのだろうか。

「我と共に生きるか?」

言葉が出ない。ただ、必死に頷いた。




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(*小説文お借りしています。

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