小説挿絵『桃紅柳緑~』
3年前
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小説『桃紅柳緑──アイツが俺を嫌いな理由と、俺がアイツのことが気になる理由──』著・当麻咲来さん
https://estar.jp/novels/24931169
P198~
第十二章 11 挿絵描かせて頂きました。
https://estar.jp/novels/24931169/viewer?page=198
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半ば呆けた頭で、もういいよ、って認めてた。俺はアキに欲情してるらしい。それもアキに惚れてるから、欲情してるんだ。
そんなどこか敗北感たっぷりな気分で、でも今まで、他の誰かをネタに一人エッチの妄想にしたときよりも、ものすごく気持ちよくて、感じてしまって。声が漏れそうになるのを必死に抑えている。
今俺のベッドのすぐ上に、アキがいて(二段ベッドだからだけど)。それなのに自分はこんな想像をしてて……。絶対俺、ヤバイだろうって思うのに。
想像の中のアキが、俺を受け入れて、甘くてエロい声を上げて。目の淵を赤くして、『慶……もっと、もっと……』って俺を上目づかいに見上げたところを想像した瞬間。
「っ…アキ………」
一瞬声が漏れてしまう。
「……っく………はぁ……ぁぁ……」
荒い息を何度も何度もつきながら達してしまって。すでに汚れていた下着を替えて……アキを想像しながら一人エッチしただけで、今までしたことないくらい、気持ち良すぎて、頭が真っ白になる。
実際の相手が、アキだったら、どんだけ気持ちよくなるんだろ、って考えている自分がいた。
でも次の瞬間、激情が去った後の脳裏は、妙に冷静になっている。
「………あほらし………」
うっわ、俺、何してたんだろう。アキの口調を真似して自己嫌悪に陥る。
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小説お借りしています。