小説挿絵『針の止まった子供時間』
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3 years ago
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『針の止まった子供時間』著・晴れ時々猫さん
https://estar.jp/novels/25764762
P50~
【現在:10年目の再会】
https://estar.jp/novels/25764762/viewer?page=50
挿絵描かせて頂きました。
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おじさんの言葉に、おいでと呼ばれたその手招きに……、涙が堰を切ったように溢れ出した。
何故……どうして……?
考えたって分からない。だけど、確かにおじさんは手招きしてくれたのだ。優臣が待っていると、そう言って……。
一歩……二歩。けど、涙で前が霞んで立ち止まってしまう。
そんな俺の手を、おじさんとおばさんは優しく引いてくれた。
10年ぶりに家に上がらせてもらい、仏壇の前に連れて来られて……。
俺は膝から崩れ落ちた。
そこに飾られている優臣の笑顔の遺影が、「やっと来てくれた」って言ったような気がして……。
「待ってたよ、柄沢くん」って……そんな声がした気がして……。
「優臣……っ」
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小説お借りしています。