「タイムケンネル」第2期03回
3 years ago
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カツィール開発部長「本日はいまだに議論の絶えない進化論について知りたい。160年前のイギリスに飛んでくれ。」
ダグ「了解です。」
(ブーーーン、タイムワープ)
ダグ「ダーウィンさん、今日はあなたが最近公表世れた「種の起源」、いわゆる自然淘汰進化説について伺いに来ました。」
ダーウィン「あれは反対する者が多くてな、もう面倒になってきたよ。」
ダグ「それは進化論が科学でなくて思想だからです。科学は単に証拠集めの手続きで奴隷の仕事、他方で思想は真の気づきと創発で貴族の名誉です。」
ダーウィン「ほう、アリストテレスと同様に、思想だから好みもあるということか。」
ダグ「ところで最近その科学の方が進歩して、遺伝子は30億個の塩基対の鎖であることが分かりました。」
ダーウィン「30億個の自由度か、そりゃあ頻繁に突然変異もするわな。」
ダグ「しかもその遺伝子を母系統で遡ると、「初めのイブ」と呼ばれる1人の女性にたどり着くことが分かりました。」
ダーウィン「それこそ人類の起源だろうか?」
ダグ「そこで素朴な疑問なのですが、その最初のイブの旦那に当たる「最初のアダム」はどうなっているのでしょう。周りはサルばっかりですからサルだということになりませんか。だとしたら子供の知性は半分だということになり、代を重ねるごとに薄まっていってしまう。」
ダーウィン「進化論と言うのはそうじゃないんだ。気象の変化とか森からの追放とか、環境の変化に応じて、それにより適応できる子孫が優先的に生き残る。それの細かな積み重ねが進化なのだよ。」
ダグ「と言うことは、人類等の進化は1個体の突然変異に始まるわけではない?」
ダーウィン「そうだな、かけ離れた宇宙人が突然登場するのではなくて、もっと段階的かつ集団的な変化なんだよ。」
ダグ「なるほど。」
(ブーーーン、帰還)