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タクラハとヌマ 邵族の神話から
邵族がその昔、日月潭の近くに居住したころの故事。
日月潭には「Takrahaz」という水の精霊の一族が住んでいた。
タクラハは半人半魚で長い髪を持つ、いわゆる人魚だ。
邵族は、日月潭の豊富な魚介を捕って暮らしていたが、あるころから仕掛けた網がことごとくタクラハによって壊されるようになり、魚が捕れなくなってしまった。
邵族の青年・ヌマ(努瑪)は湖水に飛び込み、タクラハと三日三晩にわたって戦ったが決着はつかなかった。

ヌマはタクラハに尋ねた。
「なぜ、我々の漁を妨げるのか」と。
タクラハは答える。
「お前たちのしかける網の目は細かく、まだ小さい魚や蝦まで一網打尽にしてしまう。これではこの湖水にいる魚はいずれ根絶やしになってしまうだろう」
それを聞いて、自分たちの過ちに気づいた邵族は、それからは使う網の目を大きくし、漁獲量の制限を取り決めた。

この神話は、生態系や天然資源と人類の共存・持続について示唆した、現在にも通じるテーマである。

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