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乱文
うららかな昼下がり、午睡に誘われる。カァテンは緩やかに開閉していた。空は、冬が近づき日が短くなった所為かもう橙色に染まりつつある。小窓から外の景色を眺めてみる。寂れた工場の群れが住宅街を囲っていた。何ともなしにノスタルヂアを感じたが、普段の工場から出る騒音を考えると、この景色を綺麗だと感じるのは癪だった。不意に、帰路についている同級生の笑い声が聞こえて、耳を塞いだ。虚しく空いた心臓に北風が吹き通った。孤独。それはこの世界で一番の劇薬だということを知る。自己嫌悪や希死念慮で空いた心臓を埋めた。卑しさで満たすことで私は初めて私として完成する。不完全な完全。ふらふらと立ち上がり、自室の電灯を消した。暗闇の中、夜目の効かない私は手探りで机上の瓶を探し、蓋を開けた。抗鬱剤は大量に飲んでも然程影響がないとネットの記事で見たことがある。意気地が無いので規定の量の薬を飲んだ。この先もずっと自殺願望と生存本能の間で板挟みの葛藤をし、最終的には自分を責めながら生存本能を選ぶのだろう。死ぬ胆力が無いのはわかっているけれど、期待をしてしまう。将来への不安、空虚感、嫌悪感、嫉妬心、惨めさ、諦観…。脳に流れる疎ましい感情に一々名前を付けるのも面倒臭くなって、シャットアウトするようにうずくまった。

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